「となかぞ」のリアルさ

前回のブログで書いた、最後の妊娠判定が陰性とわかった日、奇しくもドラマ「隣の家族は青く見える」の最終回の日でした。

このドラマが始まると聞いたときから、(どうせ)最後には無事に子供を授かってハッピーエンドなんだろうと決めつけていたので、最終回は見たくないかもと思っていたのに、この日はクリニックから帰ってひとしきり泣いてしまったので、やけくそ半分で最終回を見ることに。

それであの結末でしたからもう、、、当日の自分にあまりにシンクロしすぎていてさらに号泣してしまいました。

 

それだけでなく、このドラマ、あくまでも私個人の経験上、不妊カップルの物語に関しては、最初から最後まで細部までかなりリアルに描かれていて、脚本と取材力に本当に感動しました。

しかも、私の主人も子供をターゲットにしたモノづくりをしている開発者だったりと、背景まで私たち夫婦と似ている部分が多々あり、毎回共感せずにはいられませんでした。

 

私もクリニックの通院を開始した当初は習い事にでも行くような軽い気持ちでしたが、人工授精で何度もリセットを繰り返すうちにどんどん心が沈んでいき、子供や妊婦さんを避けたくなったり、卑屈で醜い自分が嫌になり、挙句、生理がくることを恐れる毎日。そんな中、実際に私の職場の同僚から3人目の子供を妊娠したことを告げられ、頭が真っ白になったこともありました。まさに、劇中の奈々さんと同じ状況でした。

 

クリニックの混雑具合や、先生とのやりとり、体外受精の説明会や、採卵の前の待機室の感じとか、細かいところまでほとんどそのままと言っていいほどよく再現されていて、これから不妊治療にとりかかろうとする人も参考資料として見ておいたほうがいいレベルかもと思いました(笑)

 

中でも特に共感した場面があります。奈々さんが流産してしまったあと、奈々さんが大器さんに離婚しようを告げる場面です。「自分がママになりたかったんじゃなくて、あなたをパパにしてあげたかった」という思いがまさに同じで、実は私も主人に何度も離婚を迫ったことがありました。もちろんそのたびに「何言ってるの」と一蹴されましたが。

私の主人も子供を喜ばせる仕事で子供が大好きなのに、自分たちに子供がいない人生なんてかわいそうすぎる、さらには、主人は長男ということもあり主人の家族にも申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

奈々さんも流産直後は平静を装おうとしていましたが、泣き崩れてしまうシーン。心拍をこの目で見てしまったからこそ、おなかの中に芽生えた命がよりリアルに感じれた矢先、昨日まで確かにおなかにいたのになにもなくなってしまった、私もあの時の喪失感は二度と味わいたくない。

 

あと、忘れてはいけないのが旦那さんの家族の支えです。奈々さんの場合も大器さんのお母さんをはじめ家族が大きな理解を示し、支えてくれていました。

私の主人の家族は遠方でなかな会えないのですが、私の場合も主人のお母さんが「○○ちゃん(私)の体のほうが大事なんだから無理しないでやめちゃいなさい」と言ってくれた時、本当に嬉しくて泣きました。主人のお父さんも不妊治療の大変さにとても理解を示してくださり「うちは長男だからとか全く気にしないから無理しないで」と言ってくださり、こんなにも素敵な家族にお嫁さんとして迎えて頂いて本当に私は幸せ者だと思います。

 

奈々さんと大器さんも夫婦二人だけでも楽しく過ごす人生を選択しましたが、幸い私の主人もとても優しくてユーモラスでポジティブな人なので、二人だけでも本当に楽しくて飽きることがありません。

このドラマを子供を持たない人生を選択するというエンディングにしてくれたことで、私にとって、まさに不妊治療をやめた日に最終回を見れて、とても救われた気持ちになりました。