妊活終了宣言

妊活および不妊治療を終了することにしました。

先日、3個あった胚盤胞の最後の 移植の判定が陰性でした。これを最後に、積極的にクリニックに通うことをやめる決断をしました。

 

不妊治療をはじめて丸2年半、文字通り「心身ともに」つらくて不安定な毎日がほとんどだったけれど、それでも主人の支えや励ましのおかげでなんとか頑張れたこと、子供は授かれなかったけど、いろいろとよい経験もできたとも思います。

 

ここに私の経験した治療をまとめておくことにします。

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37歳のとき、不妊専門クリニック通院開始。AMH(卵巣の数値)や主人のフューナーテスト等の検査はすべて良好。

タイミング法3回(3回ともリセット)

卵管造影検査

初めての人工授精で妊娠するも心拍確認後の7週目で稽留流産

流産掻把手術2回(1回目で除去しきれておらず1週間後に大量出血し再手術となる)

[ショックが大きく3か月ほど治療をお休みし旅行などでリフレッシュ]

人工授精再開後5回(5回ともリセット)

体外受精にステップアップ

夫婦での説明会参加や自己注射教室の受講

自己注射開始

採卵(卵子20個採取。その後5日目胚盤胞まで育ったもの3個。すべて凍結する。顕微授精はせず。)

1週間後、OHSS(卵巣刺激症候群)のため腹水がたまりすぎて1週間の緊急入院となる

移植1回目(人工周期)

※人工的に着床しやすい体を作るためのホルモン治療、エストラーナテープ、デュファンストン投与、1日2回のホルモン座薬の投薬治療が体力的に相当きつい。

妊娠判定陰性

子宮鏡検査

移植2回目(人工周期)

妊娠判定陰性

[心身ともに疲れ果てしばらくお休み]

移植3回目(自然周期)

※人工周期に比べ、エストラーナテープの使用もなく、座薬も1日1回と体力的負担は軽い。

妊娠判定陰性

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ざっくり羅列するとこんな感じですが、私なんかよりもっともっと長い年月をかけて取り組んでいる方もたくさんおられると思います。

私の場合、結婚が遅かったこともあり、37歳で治療を始めて40歳になる今年をひとつの区切りと考えていたこと、また、掻把手術にてこずったり、OHSSの入院など少し運の悪い出来事が多かったことも心身へのダメージが大きく、もう一度採卵からやり直す気力もなくなりました。

 

それから、治療の期間中に乳がん検診に2度ひっかかりました。1度目はMRI検査の結果、良性の線維腺腫と判明。その1年後、新たな影が見つかりましたが幸いそれも良性でした。しかしどちらも不妊治療のホルモン注射や投薬の影響は大きいと言われていて、そういった治療過程での招かれざる副産物もあり、心身を蝕む原因になったかもしれません。

 

あと、治療費についても書いておくと、周知のとおり人工授精や体外受精は100%自費診療です。

まず人工授精は1回あたり約1万5000円で、その前後のホルモン注射等も含めると1ターンで2万円~3万円はかかります。私の場合それを6ターンやったので単純計算で12万円~18万円というところです。

体外受精では、採卵~受精卵凍結で約30~40万円(取れた卵子の数や顕微授精の選択で変動する)、1回の移植は約10万円ほど(凍結胚を融解する料金等含む)ですが、移植時にもさまざまな「オプション」があり、アシストハッチング(たまごのカラをレーザーで焼き、中から出てきやすくする)が2万円、培養液にヒアルロン酸をプラスする(まだ科学的根拠は解明されていないがこれにより着床されやすいと言われている)が1万円などがあり、これに移植前後の薬代を含めると1回の移植で15万円ほどにはなります。

つまり、採卵~移植1回で少なくとも45万円ほどになります。(ちなみに、これまで「黄体ホルモン異常」として保険が使えた治療も、体外受精のターンではすべて自費診療になりました。注射や血液検査、もちろん診療代もです。)

私は移植を3回やったので、単純計算で75万円~80万円ほどかかっているのではないでしょうか。

ですが、体外受精ではどの自治体でも「特定不妊治療助成事業」というものがあり、初回で30万円の補助金を受け取ることができるのですが、これには所得制限があり、うちはこの制限を超えていたため補助金は対象外でした。普通に共働きしているご夫婦の所得ならおそらく制限を超えてしまう人もたくさんいらっしゃると思います。

ほんの少し所得制限を上回っている程度で30万円の補助金が受け取れないのは正直イタイですし、補助金が出ない以上、治療を続けていくのも金銭的に相当な負担となります。

 

最後に、少し心残りがあるとすれば、結局、不妊の原因がわからないことです。

子宮筋腫はあるものの全く邪魔をしない位置と大きさ、いろいろな検査を受けても「必ず妊娠できますよ」と太鼓判を押されていたし、AMH値は実年齢よりも若い数値で、毎回子宮内膜の厚みやホルモンの数値も十分と言われていました。主人のほうも、人工授精の際の精子運動率は毎回90%以上でした。流産にはなったものの一度着床できたという事実も、少しは自信を持てる材料となっていたのですが。

ただ、やはり年齢とともに確率が低くなっていることは身をもって痛感しました。

 

これが私の経験した2年半の不妊治療の全体のあらましです。

 

先日最終回をむかえたドラマ「隣の家族は青く見える」では、不妊治療に立ち向かう夫婦の姿がとても丁寧に描かれていて、共感できる部分がたくさんありました。

次のブログで、このドラマの感想とともに私の心の変化や家族のことなどを書きたいと思います。